アメリカのロー対ウェイド裁判(Roe v. Wade)について見てみましょう。
州の規定
ロー対ウェイド裁判(Roe v. Wade)は、1973年1月22日にアメリカ連邦最高裁が、州による不当な中絶の規制は違憲であると7対2で判決を下した訴訟です。
同裁判所は、ほとんどの中絶を犯罪とするテキサス州法は、女性の憲法上のプライバシー権を侵害するとしました。これは、修正第14条の適正手続条項（「・・・いかなる州も、法の適正手続なしに、生命、自由または財産をいかなる者からも奪ってはならない」）による自由保障に含まれると判断しました。
女性の権利
この訴訟は、1970年に「ジェーン・ロー」（原告であるノーマ・マコーヴィー（1947-2017）の身元を保護するために使われた架空の名前）が居住していたテキサス州ダラス郡の地方検事ヘンリー・ウェイドに対して連邦訴訟を提起したことに始まりました。
最高裁は、ローが主張する「いつでも、どのような方法でも妊娠を解消する権利」に反対し、女性のプライバシー権と中絶を規制する国家の利益とのバランスを図ろうとしました。そこで、「基本的権利」の制限は「やむを得ない国家利益」のみであるとする法律を作成しなければならないとしました。そして、中絶を規制することを可能にする時点を、妊娠「第一期」の終わりと位置づけました。胎児については、「母親の子宮の外で意味のある生命を維持する能力」、すなわち生存能力を持つ時期とし、これを妊娠24週目頃としました。
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ロー対ウェイド裁判(Roe v. Wade)の人工妊娠中絶権利の判決が2022年6月24日無効となりました。その記事はこちら
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